サポーター委員のみなさまへ
前回の14号でご案内した、アニメのヒロインポスター展を
先週こっそり見てまいりました。すごい!かわいい!です。
こどもたちも、きっと大歓声をあげることでしょう。表彰式
当日が待ち遠しくなってきました。
さて、にほんごアート通信第15号をお届けします。
1.<日本の伝統的おもちゃ>を展示します
The Association for Japanese Culture様のご協力をいただき、
表彰式当日に、日本の伝統的なおもちゃの展示を行います。
だるまおとしや紙ふうせん、けんだまなど、実際に触って遊べる
楽しい玩具が勢ぞろいします。
日本語を勉強するこどもたちに、日本の文化を紹介する絶好
の機会になること間違いなしです。
The Association for Japanese CultureのHP:
http://www3.sympatico.ca/creation/
このほかも、日本語アート通信でご紹介してきた本を展示するなど
いろいろなブースを設けて、みなさまのお越しをお待ちしております。
ぜひ、お誘い合わせの上、表彰式にご来場下さい。
2.書評 <ミニ授業書 虹は七色か六色か>
−心理と教育の問題を考えるー
好評をいただいている書評シリーズ、今回は、板倉聖宣先生の
<虹は七色か六色か>を取り上げます。
板倉先生は私が尊敬する教育者の一人です。でも、今日はあえて
先生の略歴などは触れずにおこうと思います。それは、私がこの本
を通じて、「誰が書いたか」ではなく「何が書いてあるか」が大事なこと
である、ということを学んだからかもしれません。
さて、虹は七色でしょうか。それとも、六色でしょうか。みなさんは
この問いに、どう答えるでしょうか。
科学的には七色だけど、視覚的には六色。
国によってちがうんでしょう?
どうでもいいんじゃないかな。そんなこと。
いろんな回答があるでしょうが、私たち日本語教師にとって、もっと
も興味深い回答例として、次のようなものが挙げられるでしょう。
「アメリカでは六色で、日本では七色である。これは、日本語の色を
表現する言葉がよりこまやかなことの表れである。」
つまり、虹の色の数をどう数えるかは、その人が話す言語によって
変わってしまう、というものです。
日本語がより優美であり、日本人の自然観が反映されているように
思えてくるこの説は、なんとなく私たちの自尊心をくすぐるところもあり
なんだか説得力を感じてしまう人もいるかもしれません。
でも、私たち日本人は、本当に七色の虹の色を見分けることができる
のでしょうか。見分けられない人は、こまやかな感性がない人なのでし
ょうか。そして、日本語が確立されたころの昔の日本人も、虹は七色と
信じていたのでしょうか。
本当は、ただ単に教科書に七色と書いてあったから、自分の目では五
色か六色しか認識できないんだけど、人に聞かれたら七色と答えるよう
にしている、というのが正直なところではないでしょうか。
初めて「虹は七色」と教わったとき、「あれ?ぼくには七色も見分けられ
ないぞ。ぼく、目が悪いのかな?」という疑問を、子どもなら持つかもし
れません。「でも、教科書に書いてあるんだもん。先生が学校で教えて
くれたんだから、うそなわけないよね」と、権威でこどもの発想を封じ込
めている可能性を、私たち教師はどこまで認識して教壇に立っていた
であろうか、、、、。「虹は七色か六色か」はそんな自省の念を喚起する
読後感を待たせてくれます。
この本は10センチ×15センチのCDより小さいサイズの本ですが、
「虹を」題材にしつつ(副題にある通り)真理と教育の問題に深く深く切り
込んでいく奥行きの深い本です。
日本語のテキストを見ても、実は教科書ってこんなにウソッぱちをのっ
けていたの?と仰天した経験がみなさんにもありませんか。
教科書の持つ危険性、安易な言語文化論の限界性を警鐘する本著は、
教師のみならず、2つの文化の境界で生きる私たち必読の一冊です。
タイトル:虹は七色か六色か
著者:板倉聖宣
価格:600円
出版社:仮説社
あとがき
先日、東京から友人が訪ねてきました。二人でナイアガラの滝にいった
のですが、虹が見事にかかっていてすばらしい景観でした。世界中から
集まった観光客の人たちに「虹の色、いくつ見えますか?」と思わず聞き
たくなってしまいました。
文責 内田雪絵